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■古文書・古記録に書かれた文字を調べるには■

作成者:戸田市立図書館/作成日:平成25年6月18日
100年程前まで、日本では、紙と筆を使って文字を書いていました。しかし、そこに書かれた文字は、現在使われる文字とは大分違います。時代をさかのぼるほど、使う漢字も、書体や文体も、現在の私たちには、読み慣れないものになります。
では、そこに書かれた文字を読みたい場合は、どうしたらよいのでしょうか。
 そこで今回は、昔使われていた、筆で書かれた文字を調べる方法について紹介します。
目  次
1.古文書・古記録の豆知識
2.図書館の資料で調べる方法
3.読めない文字を解読するための本
4.くずし字を解読する方法
~このくずし字は何?~ 

1.古文書・古記録の豆知識

◎古文書と古記録
 古い時代の史料は、内容によって、古文書と古記録の2つに分けられます。※史料と資料の違いについては、調べ方案内「古い時代の史料を探すには」をご覧ください。
古文書とは  古い時代に書かれた、差出人と受取人のいる手紙や請求書などを指します。
古記録とは  古い時代に書かれた、日記や忘備録を指します。
※『広辞苑』p.982・1059、『角川日本史辞典』p.414-415、『国史大辞典』第6巻p.39を参照。
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 ◎古文書・古記録に出てくる文字のあれこれ
 書体  楷書、行書、草書など。※草書が多い。行書と草書では筆順が異なることがあります。
  御家流(おいえりゅう)
 (青蓮院流、粟田口流・尊円流とも。和様書道の流派):室町時代に書道の中心となり、江戸時代には大衆化。幕府・諸藩の公文書はこの書体で書かれました。(『角川日本史辞典』p.133、『広辞苑』p.343)
 文体 漢文体が多い。昭和前期まで残り続けます。
 漢字 正字(旧字体含む)・異体字・略字など、いろいろ出てきます。※字体についての説明は『大漢和辞典』の引き方のページ、「大漢和辞典に出てくるさまざまな文字」をご覧ください。
 その他   漢字の多用。ひらがなやカタカナも出てきますが、これらは漢字をくずしたり、一部を抜き取るものなので、漢字との区別がつきにくいことがあります。
独特の言い回し、書式、定型句があります。※公文書の種類によってはある程度予測可能です。
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2.図書館の資料で調べる方法

戸田市立図書館で所蔵する資料を使う。
  《筆文字を調べるときに参考となる分類記号》
   
210 日本史 728.4 書道
※図書館の資料には、テーマを表わす分類記号がつけられ、この分類記号順に配架されます。
※上記の分類だけでなく、前後の数字を含めて分類の棚を探すことで目的の本を探せます。
  ●OPACで調べる
   
当館所蔵の本は、オンライン目録(OPAC)で探すことができます。
ホームページの「蔵書検索」で探す場合は、図書資料を探す画面から「一般書」にチェックを入れてから検索してください。 漢字表記と読み仮名(ひらがな・カタカナ)の両方で検索することができます。
古文書」「くずし字」「草書」「行書」「時代」など、関連する分野で検索してみると、目的の資料を探すことができます。
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3.読めない文字を解読するための本
読めない文字を解読する本は、目的によって2種類あります。
※解読には、「解釈しながら読むこと」(『広辞苑』p.468)という意味と、「わかりにくい文字や暗号などを読み解くこと」(『新潮日本語漢字辞典』p.2061、『広辞苑』p.468)という意味があります
◎くずし字から、もとの漢字(楷書体)を探すことができる資料
『古文書字叢』(柏書房、1990)/R210.0-コ
近世・近代初期文書中心。
(へん)(つくり)(かんむり)(くつ)(=(あし))ごとに、そのくずし方が何を指すのか、何ページに掲載されているのかがわかります。
巻頭に「くずし部首目次」、巻末に「音訓索引」があります。
児玉幸多編『くずし字解読辞典』(東京堂出版、1993※毛筆版は1999)/R728.4-コ
「目次」で検索するタイプの辞典です。
筆の入り(起筆)を基準にして、部首を5つに分け、くずし字に対応する楷書体(漢字・部首)を調べられます。
巻末に「音訓索引」があります。 
 ※引き方が特殊なので、必ず凡例をご覧ください。
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◎扁がわかる場合に文字を調べることができる資料、漢字のくずし方を調べられる資料
 ●日本
『古文書字叢』(柏書房、1990)/R210.0-コ
近世・近代初期文書中心。
巻末の「音訓索引」を使って調べます。
本文には、読み方・異体字・熟語・文章中の引用が載っています。
児玉幸多編『くずし字用例辞典』(東京堂出版、1993※近藤出版は1980)/R728.4-コ
漢字のくずし字例を4~5つ以上と、その漢字を含む語句・熟語を多く載せた、「漢和辞典」のように引くことができる辞典です
見開きの「部首索引」、巻末の「音訓索引」を使って調べます
部首内における文字の配列は、正字の画数順です。
 本文に漢字の読み方・くずし方・用例・語句・熟語、付録にかなのくずし方が載っています。
児玉幸多編『漢字くずし方字辞典』(近藤出版社、1982)/R728.4-コ
『くずし字用例辞典』の“用例部分”を除いた辞典です。
見開きの「部首索引」、巻末の「音訓索引」を使って調べます
部首内における文字の配列は、正字の画数順です。
本文に漢字の読み方・くずし方が、付録にかなのくずし方が載っています。
『古文書大字典』(柏書房、1987)/R210.0-コ
「用語編」「史料・用例編」「参考資料編」「索引」で構成されています。
「用語編」は近世文書(天正期から明治初期まで)中心。
「用語編」の配列は部首別、部首内は画数順です。
 巻末の「索引」を使って、「用語編」に掲載されている字を調べられます。
「用語編」には、漢字の読み方のほか、漢字を用いた熟語が載っています。
『活用・くずし字辞典』(柏書房、1982)/R728.4-カ
くずし字を正しく身につけるための字典です。
単漢字の書体(楷書・行書・草書・篆書(てんしょ)隷書(れいしょ)・中国新字体)、筆順、読み方を調べられます。
本文は、総画数順です。 
本文の後に「草仮名(変体かな)一覧」、巻末に「五十音順索引」があります
『入門近世文書字典』(柏書房、1975)/R210.0-ニ
「用例編」「文字・熟語編」「かな編」「参考資料編」で構成されています。
「文字・熟語編」は、近世文書によく見られる文字約1,700を収録。
巻頭の「部首索引」、巻末の「音訓索引」を使って調べられます。
「文字・熟語編」には、単漢字の楷書体・くずし字が載っています。
若尾俊平編『実習近世文書辞典』(柏書房、1982)/R210.0-ワ
字典を兼ねた古文書解読辞典です。
近世文書中心。配列は部首順。
巻末の「音訓索引」を使って単漢字、熟語を調べられます。
単漢字・読み方・解説・くずし字例(見出し語3~4つと主な用例)が載っています。
『古文書くずし字500選』(柏書房、2002)/210.02-コ
古文書入門者・初心者を対象に、古文書に頻出するくずし字500字を選んで収録しています。同シリーズ『古文書くずし字200選』を一緒に使う必要があります。
近世文書中心。配列は部首順。
『古文書くずし字200選』に収録した漢字との組み合わせだけで用例を構成しているのが特徴です。また、書いて覚えられるように、くずし字を2~4つずつペン字で載せています。 
巻頭の「収録漢字一覧」で漢字を、巻末の「索引」で漢字と重要熟語を調べられます。
単漢字・読み方・正字・旧字・くずし字の特徴・用例が載っています。
 ●中国
『必携草字林』(柏書房、1989)/R728.4-ヒ
中国で作られた草書字典『草書禮部韻寶(そうしょれいぶいんぽう)』と『草韻辨體(そういんべんたい)』を合わせた1冊です。
本文の配列は部首別、画数順です。
見開きの「部首索引」、巻末の「常用漢字音訓索引」を使って漢字を調べられます。
漢字は約1万字。一字につき1~2つの草書体を載せています
赤井清美編『行草大字典』上・下(東京堂出版、1982)/R728.4-ア-1・2
中国漢時代から清時代までの典型的な書の中から、行書体・草書体約20万字を収録した字典です。2冊組。
本文の配列は部首別、画数順です。同じ字の配列は年代順となっています。
見開きの「部首索引」、巻末の「部首別索引」「音訓索引」を使って漢字を調べられます。
  ※上記の他にも、中国の書体を調べるための字典は図書館に複数あります。
本館参考資料室にある資料は貸出できません。館内での閲覧のみとなります。
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4.くずし字を解読する方法
1.本を用意する  …  (1)筆の入り(起筆)から調べられる本か、見た目(部首の場所など)から調べられる本を用意します。
 (2)漢字のくずし方を調べられる本を用意します。
2.部首・漢字を想定する くずし字から、考えられる部首や漢字を想定します。同じくずし方でも該当する部首は複数あるため、考えられる候補をすべて抜き出します。
3.裏付けをとる (1)調べた答えが正しいかどうかを確認します。2冊以上の資料を使うと安心です。
(2)その漢字、熟語が実際に存在するかを確かめる必要があります。
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このくずし字は何?
たとえば、右のくずし字を調べたい場合には、どの資料が必要で、どのような手順で調べたらよいのでしょうか?  文字画像「徐」
戸田市立郷土博物館所蔵:秋元家文書4
「円通寺八幡宮領宛将軍綱吉朱印状写」より抜粋

※戸田市立郷土博物館、アーカイブズセンターの許諾を得て転載
「くずし字からもとの漢字を探すことができる資料」の内、『くずし字解読辞典』を使って調べてみましょう。
『くずし字解読辞典』では、全ての文字が、起筆により、縦点から横棒までの5つの部首に分類されています。(右図参照)
目次もこの順番で並んでいます。
必ず、『くずし字解読辞典凡例を見ながら調べるようにしましょう。
≪5つの部首とは≫
縦点  縦点画像 下に向かった点。ひらがなの「こ」の上部分に似ている。 
横点  横点画像 右に向かう点。ひらがなの「い」の左側に似ている。 
斜棒  斜棒画像 右上から左下に伸ばす棒。カタカナの「ノ」に似ている。 
縦棒  縦棒画像 上から下へ伸ばす棒。 
横棒 横棒画像 左から右へ伸ばす棒。 
手順 調べ方一例
1.資料を用意します 書道の分類の棚から、『くずし字解読辞典』と『くずし字用例辞典』を探します。
2.第一画の部首を考えます  第一画(起筆)の部首が、上記凡例の内どれにあたるかを考えます。
→斜棒
3.第二画の部首を考えます  第二画の部首が、上記凡例の内どれにあたるかを考えます。
  →横棒 
4.第一画と第二画の部首から目次を引きます 斜棒の部首の内、p.102・103・129に出てくる部首が似ているようです。※できるだけ広い範囲で探すクセをつけましょう。狭い範囲で探すと、その分、候補の字が限定され、正しい字を探せない可能性が出てきます。
5.考えられる部首を抜き出します p.102の部首は、「竹の左側」「」「」「」で使われていることがわかります。
  p.103の部首は、「」「」「」「」「」「類の左側」で使われていることがわかります。 
  p.129の部首は、「」を主にまとまっていますが、「」「」などがまぎらわしい字として紹介されています。 
6.右側の字を調べます
※3~5の繰り返し
 
右側の字の第一画は「斜棒」、第二画は「縦点」と思われるので、目次で調べてみると、p.88に出てくる部首に似ています。
  」「」で使われ、p.89の「」であることがわかりました。
7.裏付けをとります 」「」「」「」「」「」「」扁の中から、「」がつく漢字を探します。
『くずし字用例辞典』をつかった調べ方 (1)部首がわかる場合は、巻頭の「漢字部首索引」を使います。
(2)「余」がつく漢字には、「(ヨ・あまり)」と「(ジョ・おもむろ・しずか)」「(シャ・おぎのる・おごる)」がありました。
調べてわかったこと 例題の一文字だけでは判断できないので、候補として」と「」「」の3字を控えておきます。可能であれば、前後の文字を見て、熟語なのか、どの意味が最適かなどを確認します。
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◎調べ方でわからないことがありましたら、本館2階レファレンスカウンターまでお尋ねください。

 

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