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『古事類苑』の引き方

作成者:戸田市立図書館/作成日:平成22年8月14日/同年8月29日改訂

『古事類苑』は明治・大正期に編纂された日本最大の百科事典です。

『古事類苑』の主な特徴
●内容 1.現在の百科事典のような第三者の解釈ではなく、その事柄に関連する史料(神代~慶応3年)を載せています。
2.中味は正字・旧字体・旧仮名遣いです。
●形態 和綴じ本約1千巻を、昭和53年(1978)に洋装本51冊にしたもの。
●引き方 目録か索引を引いて本文を探します。内容を理解するには史料を解釈しなくてはいけません。※くわしい引き方は下記参照のこと。
目次
辞典・事典の引き方・戸田市立図書館編
本で調べる-『古事類苑』の引き方-
(1)「古事類苑総目録」を使った調べ方
(2)「古事類苑索引」を使った調べ方
(3)『古事類苑新仮名索引』を使った調べ方
「古事類苑」をインターネットで調べる
  テーマの棚に行って探す。
   
図書館の本には1冊ずつテーマを表す分類記号が付いており、その記号は本の背表紙に貼付されているラベルに記してあります。
また、棚の本は分類記号順に書架に並んでいますので、本を探すときは、以下の分類記号を参考にしてください。※別置されている本もあります。
  《古事類苑の分類記号》
   
031.2 日本語類書
※日本語類書に分類されますが、百科事典の仲間です。「事物起源事典」と一緒に百科事典の棚に並んでいます。

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  《古事類苑に出てくるさまざまな文字》
正字(セイジ) 字画のただしい文字。もとの字。俗字・略字などの対。※『大漢和辞典』巻6p.667項目1
略字(リャクジ) 字画を省略した文字。省字。簡字。※『大漢和辞典』巻7p.1106
俗字(ゾクジ) 漢字本来の正字に対して、一般に通用する俗体の文字をいう。耻(恥)・吊(弔)など。※『大漢和辞典』巻1p.785項目1
国字(コクジ) 日本で作った漢字体の文字。榊・杣・噺など。※『大漢和辞典』巻3p.80項目2
※『大漢和辞典』を主に、『広辞苑』(岩波書店、2008)や『日本国語大辞典』(全13巻+別巻:小学館、2002)などを参照。

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『古事類苑』の引き方
古事類苑〔普及版〕全51巻(51巻は総目録・索引)+古事類苑新仮名索引(吉川弘文館、1973~1980、2010年)
調べられること
神代から慶応3年(1867)までの、日本における事柄の起源・内容・歴史的変遷を、複数の史料(典籍・記録・文書・金石文など)で確認できます。
注意点
読み仮名は歴史的仮名遣いとなっています。※例:遊覧=イウラン・桐生=キリフ
本文は正字・旧漢字で書かれています。※例:黑造劍(黒造剣)
中味は史料のため、漢文体や古い言い回しになっており、解釈が必要です。
内容ごとに30の分野にわかれています。その中は篇・条・項で構成され、各篇の最初に解題がつけられています。
索引の部門名は、すべて頭字一字に省略されています。※例:歳時部=「歳」、神祇部=「神」など。
索引を使うときに見る項目は、「部門」「洋装冊数(=巻数)」「頁数」です。
部門
1 天部(テンブ) 11 称量部(ショウリョウブ) 21 姓名部(セイメイブ)
2 歳時部(サイジブ) 12 外交部(ガイコウブ) 22 産業部(サンギョウブ)
3 地部(チブ) 13 兵事部(ヘイジブ) 23 冠服部(カンプクブ)
4 神祇部(ジンギブ) 14 武技部(ブギブ) 24 食物部(ショクモツブ)
5 帝王部(テイオウブ) 15 文学部(ブンガクブ) 25 居処部(キョショブ)
6 官位部(カンイブ) 16 礼式部(レイシキブ) 26 器用部(キヨウブ)
7 封禄部(ホウロクブ) 17 楽舞部(ガクブブ) 27 遊戯部(ユウギブ)
8 政治部(セイジブ) 18 方技部(ホウギブ) 28 動物部(ドウブツブ)
9 法律部(ホウリツブ) 19 宗教部(シュウキョウブ) 29 植物部(ショクブツブ)
10 泉貨部(センカブ) 20 人事部(ジンジブ) 30 金石部(キンセキブ)
調べ方
例えば、現在、七夕を「たなばた」と読みますが、昔から同じ読み方だったのでしょうか。調べてみましょう。
(1)「古事類苑総目録」を使った調べ方
『古事類苑』は、内容ごとに30部門にわかれています。調べている事柄が大きく、全体的に内容を確認したいとき、何部に入るのかわかる場合に使ってみましょう。
『古事類苑総目録索引』を用意します。
「七夕」が何部に入るか考えます。→歳時部
「古事類苑総目録」p.8歳時部の中から「七月七日」を探します。→p.12151248
欄外の項目を参考に、p.1215~1216「名称」内の史料を見ます。
「七夕」の漢字は奈良時代には使われており、当時は「なぬかのよ」と読んでいました(p.1215~1216「古今要覧稿」「万葉集」)。「たなばた」というようになったのは平安時代中期以降のようです(「古今要覧稿」)。
また、供え物をして牽牛・織女星を祭る行事を、「織女祭」(たなばたまつり)や「乞巧奠」(きこうでん・きっこうでん)などともいいました。もともと中国で行なわれていた行事です。(p.1224「伊呂波字類抄」「倭訓栞」「古今要覧稿」など)。
例えば、現在の七夕では笹に願い事を書いた短冊をつけますが、古くは笹のほかにも色々と飾っていたようです。七夕には何をし、どんなものを飾っていたのでしょうか調べてみましょう。
(2)「古事類苑索引」(五十音順)を使った調べ方
調べたい事柄が決まっているときに使ってみましょう。読みがなの五十音順に並んでいます。
『古事類苑総目録索引』を用意します。
「古事類苑索引」でp.407「タナバタ(七夕)」を引きます。
『古事類苑』歳時部p.1215「七月七日」を開きます。
「七月七日」の項目はp.1215~1248。欄外の項目を参考に、目的のページを探します。
大半が文章のみですが、中には「和漢三才図会」(p.1228)や、「雲図抄」(p.1231)、「知信朝臣記」(p.1235)などのように文章に加え、絵を載せているものもあります。文章だけではわかりづらい、物の配置などが、絵によってわかりやすくなっています。
調べた結果(一例)
奈良時代(朝廷)
p.1217「続日本紀(しょくにほんぎ)」(平安時代初期完成)によると、奈良時代の朝廷では、7月7日に宴が催され、相撲観戦や七夕の詩を作っていたことがわかります。
平安時代(朝廷)
p.1231「雲図抄(うんずしょう)」(平安時代成立)によると、平安時代の朝廷では、清涼殿(せいりょうでん)東庭に、灯9つ、筵(むしろ)を敷いた上に朱漆の高机4脚をならべました。机の上には、火舎(かしゃ)2つ・蓮房2つ・熟した瓜・梨・大角豆(ささげ)・薄蚫(うすあわび)・茄(なす)・桃・大豆・干鯛・酒盃(しゅはい)・楸(ひさぎ)の葉・針・琴(または琵琶)を供えていたことがわかります。
p.1235知信朝臣記(とものぶあそんき)」(平安時代成立)によると、灯台9つ、長筵(ながむしろ)の上に赤漆の高机4脚を立てました。北の机に16坏(瓜・茄子・枝大豆・干鯛・桃・梨・枝大豆・薄蚫)と酒盞(しゅさん)2つ。南の机中央に筝(そう)1張、南西の机に火取(ひとり)1つ、楸(ひさぎ)の葉の上に、五色糸、蓮の花。東の机に鏡1面、楸の葉の上に、金銀の針2本ずつと蓮の花を供えたことがわかります。
南北朝時代(朝廷)
p.1232「建武年中行事(けんむねんじゅうぎょうじ)」(1334~1336年成立)によると、7月7日夜に乞巧奠を行い、庭に机4つを立て、灯台9本をともし、机の上に色々なものを置いたことがわかります。また、室町時代の雅楽書「体源抄(たいげんしょう)」(1512年成立)によれば、乞巧奠で置く筝は、机の数により、2脚あれば双調と平調に調弦し、1脚の場合は平調に調弦したようです。
江戸時代(朝廷)
p.1233「後水尾院当時年中行事(ごみずのおいんとうじねんじゅうぎょうじ)」(江戸時代初期成立)によると、7月7日、梶の葉に歌を書いて屋根に上げ、二星(牽牛星・織女星)に供えたことがわかります。
E その他
さまざまな階級の人々が、7月7日に索餅(さくべい=小麦粉と米粉でできた縄の形の揚げ物)や、麦餅・索麺を食べ、瘧病(おこりびょう=多くはマラリアを指す)を避けようとしたようです。(p.1221~1223参照)
朝廷のほかにも、幕府や庶民、神社などの乞巧奠(七夕)も調べられます。
(3)『古事類苑新仮名索引』を使った調べ方
2010年、現代仮名遣いの索引が刊行されたことにより、従来の索引よりも簡単に引くことができるようになりました。※読みがなの五十音順
『古事類苑新仮名索引』を用意します。
『古事類苑新仮名索引』p.427「たなばた 七夕」の該当巻・ページを探します。→歳時部p.1215
『古事類苑』歳時部p.1215「七月七日」を開きます。
「七月七日」の項目はp.1215~1248。欄外の項目を参考に、目的のページを探します。
※語句の意味がわからないときは、「漢和辞典」や「国語辞典」、各種専門辞典にあたりましょう。

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「古事類苑」をインターネットで調べる
  『古事類苑』が自宅にある方は少ないと思いますが、突然中味を確認したくなったり、ページ数を知りたくなったときは下記サイトが便利です。

国際日本文化研究センター

   アドレス http://www.nichibun.ac.jp/
検索方法 ①国際日本文化研究センターのトップページを開きます。
②メニューの中から「データベース」を選び、「研究支援データベース」を探します。
③「研究支援データベース」の中にあるのは2種類。用途に合わせて選択します。(平成20年5月更新データ)
所収巻・ページを確認するには 「古事類苑ページ検索システム」へ
中味を確認するには 「古事類苑全文データベース」へ
④各ページの注意事項をよく読んでから検索してください。
「古事類苑ページ検索システム」 「総目録キーワード検索」「キーワード検索」で調べたい単語を入力すると、所収巻・ページがわかります。
「古事類苑全文データベース」 「単語検索」に調べたい単語を入力すると、テキストデータで全文を確認できます。※and検索・or検索が可能。
≪インターネット検索の注意点≫
インターネット上にあるすべてのサイトが正確な情報を発信しているとは限りません。常に更新日や発信元が信頼できる機関であるかを確認することが大切です。

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